あの人の生活と制作

短編アニメーション『高野交差点』完成しました。次回作構想中。

女性/男性を描くこと

ヘテロの男性絵描きが男性をあまり描きたがらないとか、美少女ゲームやエロ漫画の主人公の"薄さ"とか、男優の存在が疎外されがちなAVとか、男性の身体性のなさはよく指摘される。

ヘテロ男性であるおれも例に漏れず女性を描くことが多い。でも実感としては女性を客体として描いているというより、どちらかというとむしろ自分だと思って描いている。
というかたぶん描きたいのは「魅力的な女性/男性」そのものではなく、ポーズやその場から感じられる雰囲気だ。なので性別はどちらでもかまわないし、どちらでなくてもかまわない。

ただし、男性の体を有して生まれてきたおれは、男体を描くときは自分を参照しがちで、そうやって描かれたものになにか限界を感じる(彼は決しておれではないという感覚)。
対して女体は(おれにとって)嘘をつきやすいからかなんなのか、その時描きたい雰囲気なりなんなりを仮託しやすい(彼女はおれ自身だと"なぜか"当然のように思い込める)。

これって男の身体性のなさとはちょっと違う問題かと思う。
わかんないや。
でもやっぱ絵を描くって不思議な行為で面白いなと思う。